もともと春の旅革命を合わせて、3ヶ月ほど帰らない予定でしたが、帰国することにしました。まだ航空券を取っていませんが、1月下旬までに帰国します。
旅革命での出番が来る2月下旬まで、おそらく日本にいます。
西アフリカには40日くらい時間を確保していて、当初はそれでも足りないと思っていたので、自分でもびっくりしています。
西アフリカでの経験は貴重だったので、本当に来てよかったと思うし、後悔は全くありません。
ただ、僕が3ヶ月くらい帰国しないつもりで関係各所にご迷惑をかけていたので、しっかり自分の思いや考えを言葉にしてご報告したいと思い、ブログを書いています。
なぜ帰ろうと思ったか?

モーリタニアの首都・ヌアクショットにて仲良くなった青年たちと
簡単に言えば、もう旅して浅く広く学ぶのはお腹いっぱいなんだなって気づきました。
今回の西アフリカの旅ですが、前の投稿にあるように学びのネタ的には豊富にあるのですが…大きな発見や気づきとは出会えておらず、自分が期待していたものとは異なっていたのでモヤモヤしていました。
そして自分自身と対話する中で分かってきたのは、「旅」や「アフリカ」に期待しすぎていたなぁということです。
3年前のアフリカでの学びが楽しすぎて、刺激的で濃厚な時間でした。
実際に3年前の渡航では、国際協力の重要性や途上国起業の価値、アフリカという大陸の現実を教えてくれ(それはアフリカ大陸だけではなく、お世話になった多くの方のおかげでもあります)、それは今の自分に大きく生きています。
だから、今回もまたこの土地へ来たら、自分の今後がより明確に見えてくるだろうと、どこか他力本願で考えていました。
でも、その答えは今回は旅やアフリカで見つかるものではありませんでした。
西アフリカに来てみてどうだったか?

国土の多くが砂漠であるモーリタニアは、都心部も道は砂に覆われており、砂埃の多さはもちろん、歩くのもやや大変だった。
こちらへ来て、西アフリカの雰囲気やこちら独自の文化や社会問題にも触れ、関心は高まりました。
世界には知らないことが盛りだくさんで、旅で出会った何かをきっかけに調べたり、聞いたり、考えたりする時間の連続でした。
むしろ今回は3年前に比べて知識が増えている分、1つ1つの出来事を深く考えたり、他の情報と関連づけて整理できるのが楽しいです。
ただ、やはり様々な問題のメカニズムは共通していることが多いし、良くも悪くも「あぁそのパターンね…」と思ってしまう自分がいます。
そこで、冒頭で述べた通り、もう旅して浅く広く学ぶのはお腹いっぱいなんだなって気づきました。
ちなみに、昨年末の中東の旅の時はこのようなことを全く感じませんでした。
それは、現地の文化や状況が僕の知っている国々とは大きく異なり、また抱えている社会問題のジャンル・傾向もそれと一致しなかったからだと思います。
シリア難民やパレスチナ問題は政治的な要素が大きく複雑ゆえに、日本にいる時は目を背けていた問題に向き合う貴重な時間でした。今回の旅では「西サハラ問題」はそれに該当しました。
じゃあ、どうするか…一次情報からのメタ化?

モーリタニアとセネガルの国境にて。移動のため、荷物を車の屋根に力技で固定する現地の人
原体験や実際の現場は広く浅く(本当の意味ではまだ狭いですが)学んだので…
一次情報(現地での体験や現状の把握)をたくさん集める作業は一旦は置いておいて、それを自分の中でメタ化(普遍化)して、自分の中でしっかり整理・処理する必要があるなと思うようになりました。
僕はどちらかというと、「目の前の一人に貢献する」というよりも「多くの人に対してできるだけ大きく貢献する」という方が大きな価値がある(より重要である)と考える人間です。(一概には言えないけど、傾向として)
つまり…
一次情報的な個人や特定の地域に特化した問題を考えることも大事です。
ただ僕の場合は、それらを集めた上で、もう少し客観的にそれらを分析して、共通する大きな問題について考え、その打破・解決に対してのアプローチに頭や力を使うことをしたいと思っています。
その”大きな問題”に関しては、既に多くが理論・文献としてまとめられ、議論の対象になっているかと思います。
なので、次は旅からだけではなく、理論・文献を読んで自分との擦り合わせをすることが僕にとって大事かなと思うのです。
まぁ、当たり前のことなのですが、それをようやく腹で理解しました。
一次情報とメタ化との順序は人それぞれ。
「先に学問的な知識を身につけてから現地に行くべきだ」
という考え方もあると思いますし、それも1つのアプローチとしてありだと思います。
ただ、僕のような想いや実体験を行動の源泉にするパターンの人間は、現地での一次情報があってこそ学問の本領が発揮されるのではないかと我ながら思っています。
一方で、知識から入り、実際にそれを検証・確認のために体験をするというパターンの人もいるかもしれません。
僕はそうだったし、今はそう思っている。というだけです。
また、少しこのタイミングで弁明すると、現地の人々との交流やそこにある問題を「一次情報」という言葉で一括りにしているのは違和感が僕もあります。特に「情報」という単語がよくないのですが、説明の便宜上、これを使っていると理解してもらえたらと思います。
ということで!!!
かなり急な予定変更ですが、帰ります。
このまま西アフリカを回りたい気持ちもありますが、以上の経緯で帰ろうという決意の方が強くなりました。必要なタイミングでまた戻ってこようと思います。
とはいえ…別の想いも湧いて来ました

セネガルの街中で行われていたファッションショー。服装も食文化も言語も東と西では大きく異なるし、同じ西アフリカでも当然、移動距離に比例して異なる。
「客観的に学問として、しっかり学ぶ時期にしよう」と思考は整理できたのですが、少し違う心の動きも今回の旅ではありました。
西アフリカと東アフリカが全然、文化圏として違ったことから、「アフリカ」と一括りにすることの無知さを思い知りました。”途上国”の一言も同様です。
若干矛盾するような面もありますが、今じゃないと思って西アフリカの旅を中断するのに、行くつもりのなかったオセアニアや中央アジアもいつか足を踏み入れたいと思うようになりました。
仮に社会問題のメカニズムは似ていたとしても、気候や文化によってその国の風土や雰囲気が全く違うことをアフリカで痛感したからです。あの土地はどうなっているのか…興味が増しました。期待値調整というか、旅に求めるものを変えて、もっと多くの世界に足を踏み入れてみたいです。
あとは、”雇用”をキーワードに、良いのではないかというプロジェクトというかアイディアが思いつきました。近いうちに(とは言っても2年後くらい)にやってみたいな…と、そんなことを考えております。
最後に…

「星の王子様」が執筆されたセネガル・サン=ルイのホテルにて、この本を読みました
少なくともあと1週間はこちらにいると思うので、それまでにできることを吸収しまくります。
帰国後は旅革命やMyAOなどの日本での活動にコミットしたい気持ちも強いです。
少し離れてみて、「もっとああすればよかったなぁ」「あれはこうした方がうまくいくなぁ」と色々とアイディアややりたいことが出て来ました。
あとは、本読みます。
苦手な分厚い本を手に取り、部屋にこもる日を作ります。
この西アフリカ旅は外部からの情報はもちろんですが、色々な自分の気持ちが分かったという意味でも有意義な時間でした。
以上、ご報告でした。