オマーンって一体どんな国?オイルマネーで成り立つ国? 〜国の収入の84%が石油〜

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オマーンとは
人口は456万人(2017年)で、日本の都道府県で近いのは福岡県(約500万人)
広さは日本の85%らしい。(外務省データより)

色々あって中東へ渡航。その中の1つオマーンへ。
(詳しくは”僕が中東への旅を決意した理由“)

滞在は1泊2日で何か活動やヒアリングをしたわけではないので、正直、ブログの内容は浅い。
でも、オマーンに行く前にこういう記事があったら面白かったし、自分は読みたいだろうなということを書いたので、飽きないと思うので最後まで読んでほしい笑

 

ドバイからオマーンへの陸路国境越え


(ドバイからオマーンへ移動する道中のバスからの車窓)

街は発展していることが予想できたので、都市と都市の間や国境が見たく、ドバイから陸路でオマーンへ向かう。
やはり広大な景色に圧倒されたが、一方でなかなか文明という文明に巡り合わなかったので大丈夫かな?と不安になった。


(ドバイ寄りの車窓)

道は非常に綺麗でインフラはかなり整っている印象。
揺れは少なくて、かなり快適だった。ドバイから7時間。

オマーンの入国審査はX線などではなく、入国管理のスタッフの人力による荷物検査と、11つの荷物を麻薬犬が嗅ぐ形式。

そして都心部も岩山と近代的な建物のコラボレーションで、他にはない独特な都市だった。

 

オマーンの最近の発展が面白い!


(宿泊したホテルから撮影。窓越しなのでフィルターを通したみたいな色…)

(歴史や固い話が苦手な人は飛ばして~)

日本では習わない歴史
今のオマーンは現ザイール国王の近代化政策が成功して、成り立っている。

彼ではない国王であったら、今でも後進国のままだった可能性もある。
実は40年ほど前は、オマーンは国家の安定のためにと、国民の教育機会を抑圧していた。

当時は小学校ですら、わずか3校しかなく、大学もなかったとか

そんな政策を取っていたのが現国王の実の父親であり、実の父親を追放して、国王の座を掴んだのである。
そんな現国王・ザイール国王は、イギリスの大学に通い、世界一周経験もあったりとかなりアクティブ。

インフラも整備し、「国づくりは人づくり」と石油資源で得たお金を近代化のためにつぎ込んだ。
こういう歴史の経緯があるので、国民の国王に対する尊敬の念は強い。
この国王が倒れた後の政治運営や国民からの忠信を得るのは大変そうだ

シンガポールもだが、独裁政権であってもその主が優秀で志があれば、良い形での発展ができる。

一方で北朝鮮やベネズエラなどは逆に失敗の傾向にある。
民主主義よりも勢いある舵を取れるだけに、独裁政権も良い面と悪い面があると改めて実感。

 

オマーンの観光が面白い!


オールドオマーンからマトラへ歩いていた道中のオマーン湾

実はオマーンの観光資源はポテンシャル超高め?
観光先を紹介するのは得意ではないので、写真を載せつつ、軽く紹介したい。

(天気が良すぎて、写真が超いい感じだけど、この記事の写真は全て吉野撮影)

バックパッカーが少ないからかドミトリーやゲストハウスなどの施設はないみたい。
宿が高いことと、公共交通機関の使い方が難しい。
また食事もビリヤニなどインド風で、何か特別美味しいものは見つけることができなかった。

 

こちらはマスカット港を守る砦。
15世紀は小さい港だったが、16世紀のポルトガルの植民地になってから貿易の中心地として発展。
オマーンは東アフリカ、インド、ペルシア湾、中東を結ぶ航路を持つため重要な位置とされる。

その際に築かれた砦である。

 

こちらは噂のザイール国王の王宮。
ちなみに1800年代のオマーン帝国の全盛期の頃、首都はタンザニアのザンジバルにあったらしい。

ケニアのモンバサや、モザンビークにまでその戦力は及んだとか…
(詳しくはwikipediaで!)

 

イスラム教が大半を占めるため、各地にモスクがある。
こちらはオールドマスカットで綺麗だったので撮影したが詳細不明。

僕は行かなかったけど、砂漠のドライブとかも良きらしい。

今までも色々と観光地を見てきたけど、オマーンの観光地も予想以上に素敵であった。
石油依存からの脱却に、観光資源が一躍買うだろうと強く思う。

その際にはオマーンへ直行便含めた、航路の整備が重要だなぁ…
調べて見たら、オマーン政府が株を保有する「オマーン・エア」があって、知らないだけで結構、航路的にも頑張ってた。

オマーン政府はこの航空会社の株を30%保有してたけど、2007年で80%に引き上げ、2010年には99.8%でほぼ国営化してる。
政府が考えることも同じか…笑

国交の問題もあると思うけど、中国とかから直行便飛ばして、団体客の受け入れするのが一番早いのかなぁ…

 

オマーン人全然いない現象


南アジア系の人ばかりが働いていた土産街のマトラスーク

僕がしっかりと会話をした人の中にオマーン人がいなかった。

お土産屋のモルディブ人、KFCで絡んだバングラデシュ人、ホテルのスタッフのインド人、レストランのスタッフのバングラデシュ人。空港で一緒に飯を食べたエンジニアのインド人。

たまたまなのかなぁと思ったり、オマーン人は銀行や役場などで働いているのかなと思ったり…

これも調べてみると、人口の30%が外国人労働者らしい。
きっと、いわゆるサービス業の最前線にその外国人労働者が従事しているので、僕はオマーン人との接触が少なかったんだろうな。

シンガポールやマレーシアなど東南アジア系の国にもよくあるけど、外資系の企業が進出する際は、「何割はオマーン人を雇いましょう」という決まりもあるらしく、オマーン人は良い仕事に従事できる確率が高いと推測される。

(調べてたら僕の好きな情報の詰まったレポートを見つけたので、もっと知りたい方はこちらもどうぞ)

 

オマーンの石油依存と今後に関して


首都マスカットを走る公共交通バス・市民や観光客の足となる。めちゃ綺麗!

やはりオマーンはオイルマネーで潤っていると言っても過言ではない。
面白いランキングを見つけたので、こちらを参考に。

天然資源収入の依存度ランキングによると
オマーンは5位。国家収入の84%を石油に依存している。

しかし、石油はいつかは枯渇するし、それより今はシェールガスの登場や再生可能エネルギー・省エネ製品の流通で石油の価値は下がっている。石油のモノカルチャーからの脱却が必須である。

気候的に畜産や農業では勝負できないので、製造業やIT系、観光などに限られるが、どれかに水準を絞って開発計画を進めたほうが良いなと思う。

政府も石油への依存を脱却しようとしているようだが、どう転ぶか、どう舵を切るか、今後の展開が非常に興味深い。

ITに関しては空港で南インドから働きに来てたエンジニアは本当はUAEの方が給料が良いけどと漏らしていた。
つまりは言い方が悪いが、UAEにご縁のなかった人がオマーンに流れて来ている感じで魅力はあまりないのかもな…と思った。

 

最後に感想を…


いつもは現地の食事を積極的に食べるが、今回はあまり合わなくて、結果、KFCに救われた。

この国に新たな産業を作ることは、確かに大きな価値となるのは間違いない。
そういう意味で、起業家が入り、新たな雇用を生み出し、石油依存脱却に貢献するのは興味深い。

ただ、今の段階でオマーンにベンチャーはないと思われ、環境としてもかなり進出はしにくい。
ルワンダみたいに政府主導でベンチャーが立ち上げやすい風土や、外資系企業を呼び込む政策があれば、外国人の僕たちも入りやすいんだけどな。

外資系企業を取り込んでうまく成長したのがオマーンの前に滞在していたドバイで、これもブログに書きたいな。(まだ書いてない)

今、滞在しているヨルダンは石油資源がなく、良くも悪くも変わった手法で財政を保っている。
中東の社会情勢、実際に来たから興味を持ったけど、本当に興味深い…